離れて暮らすご家族の“かけはし”

【70代の両親に安全な家で暮らしてもらいたい】

    
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【70代の両親に安全な家で暮らしてもらいたい】

山崎 ゆかり様(仮名)40代主婦

【実家の気がかかりなこと】

私の実家は、九州の田舎にあります。
築40年になる、二世帯住宅です。

その家には元々、両親と私、弟、そして
祖父母の6人で暮らしていました。

子どもの頃から住み慣れた家でしたが、
私も弟も大人になり、就職をきっかけに
実家を離れます。

後に結婚した私は、就職からそのままずっと、
両親とは離れて暮らすことになりました。

そんな離れて暮らしている両親のことで、
今、とても気がかりなことがあります。

なぜなら、実家が物であふれているのです。
弟が家を出た頃から、少しずつ物が増えて
いったように思います。


【人には見せられないほど散らかった部屋】

私の母は昔から、片付けが苦手でした。
そのうえ、物を捨てられない性格です。

さらに、丁寧に物を扱う慎重さもあるため、
めったに物が壊れることがありません。

その結果、どんどん物が増え続けてしまい
ました。

今では、リビングに置いてある食器棚の
扉さえ開けられないほど。
とにかく物であふれています。

先日、実家のリビングのエアコンが壊れ、
修理を頼んだと聞きました。

そのとき、まず私の頭に浮かんだのは、
“そんな部屋を人に見られて平気なの?”
という驚きでした。

恐る恐る母にたずねてみると
「今ちょうど、片付けの途中でして」
とごまかしたとのこと……。

それまでは呆れて見ていた私でしたが、
絶対にごまかせていない! 汚い部屋に
慣れ過ぎている! と、焦り始めました。

一方、父は几帳面で、どちらかといえば
細かい性格です。

文字だらけの文書や、数字などの事務的な
作業にも強く、家計の管理もずっと父が担当
してきました。

では、なぜそんな細かい父が散らかった部屋
を見逃しているのかというと、理由は1つ。
“外からは見えないから”に他なりません。

父は何より、世間体が大切な人です。
そのため、他人から見られる確率の高い
庭や玄関、車の掃除はすすんでやります。

しかし、他人に見られさえしなければ、
家の中がどんなに散らかっていても
自分の評価が下がることはありません。

世間体さえ保てればよい父、物をためる母。
この2人の組み合わせが、人には見せられ
ないほど散らかった部屋を作っているのです。

もし誰かに話せば、「いいコンビじゃない」
なんて面白がって笑うでしょう。しかし、
家族からすれば笑い話では済みません。


【母が物をためる5つの理由】

片付けが苦手なのに、母があふれるほど
物をためてしまう理由は、5つあります。

まず1つ目は、戦後の物が十分ではない時代に
産まれ育ったため、捨てる行為に罪の意識が
大き過ぎること。

2つ目は、ちょっとした買い物が同居生活の
ストレス発散になっており、義理の両親が
他界した今でも買い物癖が抜けないこと。

3つ目は、心配性で、“もしもの備え”の
度が過ぎてしまっていること。

4つ目は、父の定年退職と同時に人付き合い
が減り、来客がなくなったこと。

そして5つ目は、子どもたちの巣立ちと、
誰よりも信頼していた自分の両親の他界。
そんな寂しさです。


【母の気持ちも分かるけれど】

母の気持ちも分かります。
母の性格も、分かっているつもりです。

しかし、だからといって、放っておく訳にも
いきません。放っておけば、さらに
物であふれた家になってしまうでしょう。

もう、両親も70代です。
ちょっとしたことが、命を左右するような
大ケガにもなりかねません。

できればスッキリとした安全な家で、
心地よい生活を送ってもらいたいと願って
います。

もしも、「片付けたいから手伝いに来て!」
と言ってくれたら、すぐに飛んで行く!

それくらいの気持ちで私はいるのですが、
「一緒に掃除しよう」と誘っても、「指示を
してくれるだけでいい」と頼んでもダメ。

説得しても簡単には納得してくれません。
70年生きてきた頑固さは、そう単純な
ものではないのです。

しかし、家の中を安全な場所にするためには、
片付ける以外にありません。


【プロへの依頼も選択肢に入れてほしい】

母が片付けを始めてくれたとしても、
1人では半年でも終わらないでしょう。

もちろん手伝いたい気持ちはありますが、
私にも家庭があり、仕事もあります。

同じ県内に住んでいるとはいえ、現実的に
毎日通える距離ではありません。

そういった理由から、プロの業者さんに依頼
する提案もしてみたのですが、「嫌だ」の
一点張りでした。

本当に頑固な母ですが、ただ単純に片付けが
嫌な訳ではないという本音も、娘として理解
しています。

家の中には、写真や手紙、大切な人からの
贈り物など、思い出の品も多くあります。
何か母の秘密もあるかもしれません。

片付けたい気持ちはあるけれど、自分の物を
家族以外の人には触ってほしくないのです。

ただ、いくら家族ではないといっても、
プロの方であれば理解もありますよね?

母の立ち合いのもと、依頼された場所以外は
触らないというお願いもできるでしょう。

きっと、家の中がキレイになれば、
母の気持ちも変わると思うのです。

母が物をためる5つの理由に挙げた、
そんなストレスや寂しさも、

結果としてためてしまった物がなくなれば
心まで軽くなると思うのです。

私は、不要なものを捨てるだけではなく、
背負ってきた目には見えない大きな荷物も、
一緒におろしてもらいたいのです。


【母の気持ちに寄り添って】

私は、プロの方に片付けをお願いして、
少しでも早くキレイな家で暮らしてほしい
と思っています。

しかし、これは私の希望です。
両親にとっては大切な住まいですから、
娘だからといって勝手に依頼もできません。

正直、まだ学生だった頃は、文句も言わず、
我慢ばかりする母が嫌いな時期もありました。
喧嘩ばかりで、衝突もいっぱいしました。

だけど今では私も大人になり、親になって
母の気持ちも少しずつ理解できるように
なったと思います。

孫と過ごす時間を、なによりも楽しみに
している両親です。

元気で長生きしてもらうためにも、安全で
落ち着く家で暮らしてもらえるよう、

時間はかかると思いますが、気持ちに寄り添い
ながら話し合っていきたいと思います。